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エクササイズ

自宅でできるエクササイズ(一般社団法人 地域ウェルネス・ネットより)

福岡先生

ウェルネス・ネット代表
福岡永告子(ふくおかえつこ)先生

今月のフィットネストーク
小さなミスが重なり大変なことに!

 施設管理の担当者から「何かこぼしましたか?火曜日の朝からこの状態です」見ると、ホールの床が真っ白に変色しています。前日にそのホールを使用していなかったこと、スタッフからも報告を受けていなかったことから「どうしたのでしょう⁇」と返答してしまいました。それでもと、スタッフに聞き取りをしたところ、大変なことが発覚!!月曜日午後にAがマットをホール内の用具室に片づけた時にアルコール消毒セット(籠)をホールに置き忘れ、その時容器が倒れアルコール液が籠に漏れ出したようです。遅番Bが、消毒セットがないことに気づき、ホール内にあったセットを持ち上げた瞬間、籠からアルコール液が床にあふれ落ちでたようです。もちろん床を拭いたとのことです。火曜日の朝、Cが運動教室の準備の際に床が白いことに気づいたのですが前日の健診の時だろう?とマットを所定の場所に置いたため、D、Eもマットの下にある床の変色に気づかず、4日後の木曜日に床の変色が発覚。5人の小さなミスが重なり大事になりましたが、何と言っても最大のミスは責任者である私が状況を確かめずに返答したことです。金曜日、改めて謝罪に出向き状況を説明し改善策を伝えました。「ピンチはチャンス」と言いますがピンチの時はチャンスだ!とは到底思えません。しいて言えば、ピンチの経験が自分の在り方を変えるチャンスになるのかもしれません。
※床は清掃スタッフの力で復旧されました。

立ち上がりが楽になる体操(2025年2月号)

高齢期の椅子からの立ち上がりに注意「立ち上りが楽になる体操」

高齢期の立ち上がりは転倒の危険も!

 介護予防教室の中で「以前は当たり前にできていた椅子からの立ち上がりが難しくなった。」という声をよく聞きます。立ち上がり動作は生活する上でほぼ100%といっていいほど必要な動作になります。この立ち上がり動作が不自由になってくると、移動するのが大変になり、生活範囲が椅子の周辺になってしまいがちです。すると、立ち上がる機会が減り、さらに立ち上がりにくくなるといった悪循環に陥ってしまいます。さらに、転倒や椅子からの転落にも繋がり、股関節や骨盤の骨折を起こしてしまう原因となり得ます。そうならないためにはどうしたらいいのか?が今回のテーマになります。

●TUG(Timed Up and Go )Test

 TUGテストは、歩行速度、椅子からの立ち上がり、方向転換の機能を評価する方法です。カットオフ値や平均値から転倒予測などができるといわれています。

1. 椅子に深く座り、手を膝の上においた状態からスタート
2. 無理のない早さで歩き3m先の目印へ
3. 目印・目標物を回って椅子に戻ってくる
4.椅子に着座する  ※そのかかった時間を計測します。

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センターが作成したTUG測定値のガイドです。

北海道で高齢化率の高いU市の実例

実際に介護予防教室で計測した令和5年U市のケースをご紹介します。
・U市全参加者測定157名 平均年齢80.1歳 測定値7.3秒
・U市M地区測定15名 平均年齢87.6歳 測定値9.5秒
・U市K地区測定10名 平均年齢87.7歳 測定値10.3秒
 市の全体の参加者を見ると介護予防ガイドでは「普通」、転倒のリスクは高くないという結果になりました。
 また、地域に出向いた2地区では、平均年齢が上がった分、介護予防ガイドでは「少し悪い」という結果ですが、転倒のリスクに関しては大丈夫な範囲におさまっています。
介護予防レベルで「悪い」、そして転倒リスクが高いという結果になった2例です。

・Aさん(女性)93歳18秒→94歳23.8秒→96歳測定不可(R6)

・Bさん(女性)84歳20秒→87歳12.6秒→88歳10.1秒 (R6)

 年を重ねると、歩行が安定せず、自立歩行が無理になるケースもありますが、運動教室には参加されています。
また、年を重ねても運動を継続していくうちに、体力が戻る例もあります。
大切なことは、測定の結果を受けて、立ち上がり、歩行、方向転換、着座の動作のどこに問題があるのか、ないのかを知り、対応していくことだと思います。

立ち上がりが楽になる体操と個人別運動プログラム

 「立ち上がりが楽になる体操」と「体幹とバランスの体操」、そして、安全な「立ち上がりの動作」をご紹介します。試してみてください。
 また、測定後結果を踏まえて、個人別のプログラムも作成しています。AさんBさんのプログラムです。継続は力です。ゆっくり年齢を重ねていってほしいと願います。

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今月のフィットネストーク 願いごと

 Xmasのシーズン、スポーツクラブではサンタさんへの願い事を書いてツリーに飾ります。「ドラえもんを僕にもください」「サンタさん!僕の代わりに宿題をしてくれるロボットをください」「お父さんに髪の毛をプレゼントしてあげてください」「ママをきれいにしてあげてください」「長い手足と小さな顔になおしてください(共感です‼)」本気なのかウイットに富んでいるのかわかりませんが、微笑ましく読んでいます。願い事と言えば新年の初詣。手を合わせて願うのは「健康」。熊手は「開運招福」、お守りは「仕事御守」をここ数年は選んでいます。若いころは「運気上昇」とか「開運必勝」とか選んでいました。人生をかけるような大きな勝負事をしたわけではないのですが、バブル期にそしてバブル崩壊の波にもまれながら民間企業の一員として走り抜けてきた私もその時代は血気盛んだったのですね。今では共に歩んできた周囲の人たちの健康と幸せを唯一、第一に願えるようになった自分を改めて感じています。

 Xmasサンタクロースが両親であることを唯一疑わずに子どものころを過ごした私にとって、サンタクロースの存在を信じ願い事を書く子どものエネルギーに毎年、癒されています。その時その時の願い事を大切にしましょう!

裸足でバランス・エクササイズ(2025年1月号)

「二の腕・背中を引き締めるエクササイズ」と「ウエスト・お尻を引き締めるエクササイズ」

全身の筋肉はつながりあって動いている

 姿勢を保ったり、体を動かしたり、意識的に動かすことのできる「骨格筋」は400種類もあるといわれています。そして人間の体は「張力」により全身の骨格筋が〝連動性〞をもって動いています。上半身を安定させるには体幹や下半身の筋力が必要ですし、下半身を安定させ効率よく動くにも上半身のパワーが必要不可欠です。

 例えば腕を振らないと速く走ることができないのは、誰もが経験的に分かっていることだと思います。それは腕振りのパワーが、下半身を素早く力強く動かすために役立っているからです。細かくいうと、腕を前から後ろに振る力は、その側の骨盤や脚を前に引き出すのに役立ちます。また、腕を後ろから前に振る力は、特に地面の下方向に力を伝えたり、接地中に上半身を前に進めたりする(速く走る)のに貢献しています。

 このように上半身、体幹、下半身の筋肉がバランスよく連動すれば、パフォーマンスの向上となるだけではなく、動きやすく疲れにくい体にもつながっていきます。

全身のバランスを保つためのセンサー

 今回ご紹介する「バランス・ストレッチ」では、できれば裸足で行ってみてください。
 靴を履いているときには通常使われない筋肉や筋肉群が活性化されます。この筋肉の活性化の増加により、筋力とバランスの向上につながります。
 足の裏には、メカノレセプターという感覚受容器があり、地面の情報を脳に伝えるセンサーの役割をしています。地面の凹凸や滑り、材質、傾きなどの情報を脳に伝えます。
 脳はその情報をもとに歩いたり、立ったりします。通常うまく作動していれば、足裏の情報を脳に伝えながらうまく体のバランスを保っています。
 ただ、このメカノレセプター、使わないと感度が低下してしまいます。 このメカノレセプターの働きが鈍くなると、立位での安定性や姿勢、運動時の安定性も減少します。感度を良くするために

・足じゃんけんのグーチョキパー

・ゴルフボールを足の裏で転がす、つかむ

・足の指に手を組み合わせて回すなどいろいろな方法があります。

 足裏のメカノレセプターに適度に刺激が入る、裸足でできるバランス・エクササイズは1つ1つの動きの強弱は自分で調節できます。「二の腕・背中を引き締めるエクササイズ」と「ウエスト・お尻を引き締めるエクササイズ」と2パターンあります。パターンごと1つ1つ分けて動いてもいいですし、強度は高くなりますが、つなげて動いても構いません。
 裸足で全身を動かすことが大切です。ぜひ、試してみてください。
 また、裸足で運動する前に、そのエリアが危険ではないことを確認しましょう。

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今月のフィットネストーク
冬の室温は18度以上に!

 冬の室温は18度以上がWHO(世界保健機関)で推奨されています。欧米諸国では家全体を暖める暖房が主流だったのに対し、日本はこたつや火鉢といった部分的に暖める採暖という方式をとっていたので日本の家は欧米に比べて寒いと言われています。実際に厚生労働省からでている2019年の調査でも、日本の家の平均室温は、居間16.8℃、脱衣所13.0℃、寝室12.8℃と、18℃には満たない結果だったようです。

 株式会社ウェザーニューズが発表した「全国部屋の温度調査」では最も部屋が暖かいのは北海道で、平均21.55℃。家屋の暖房設備や断熱がしっかりしているためだと思われているようです。レッスンする施設の暖房が修理のため使えない期間が10月の末に約2週間ありました。夜のヨガのクラスで、参加者の皆さんと「やっぱり寒い。部屋の温度は?」と温度計をみると18℃でした。翌々日の夜のヨガの時、「今日は朝から陽がでていたからなのか、寒くないね」と、室温は20℃でした。この2℃の暖かさの違いを、身をもって体験しました。これをきっかけに暖房が入るようになってからも室温を20℃にキープしていますが、エアロビクス系のレッスンになると参加者の熱気で、室温までも一気にあがります。皆さんの顔も高揚し、汗でキラキラしてきます。

 運動って体も心も室温までもホットにすることができるのですね。寒くなる冬こそ室温にも注意しながら運動を楽しんでいきましょう!

コーディネーショントレーニング~ボールを使った運動~(2024年11月号)

コーディネーショントレーニング ボールを使った運動

幼児期・児童期から始めるコーディネーショントレーニング

 コーディネーションとは、1970年代に旧東ドイツで生まれた、アスリートの運動能力向上のための理論です。コーディネーション(coordination)は、日本語にすると「調整」「一致」といった意味になります。コーディネーショントレーニングは、筋肉を鍛える筋トレとは違い、体の動きや力の加減を調整する「運動神経」を鍛えるトレーニングです。

 子どもの神経系の発達は、生まれてから4~5歳までの成長が著しく、成人の約80%がこの時期までに完成します。12歳ごろまでにはほぼ100%成長するため、神経系が成長途中である子どものうちにコーディネーショントレーニングをすることがより有効だと考えられています。

7つのコーディネーション能力を高めるトレーニング

 コーディネーショントレーニングでは7つのコーディネーション能力を高めていきます。

 何かの動作や運動をするときは、7つのうちのいくつかの力がお互いに連動して、体を自分の思ったとおりに動かしています。

・定位能力=相手や味方、ボールなどと自分の位置関係や距離を感じる力、把握する能力

・反応能力=合図にすばやく、正確に対応する能力

・連結能力=関節や筋肉の動きをつなげ、スムーズに動かす能力

・識別(分化)能力=手や足、用具を意のままに操作する能力

・リズム能力=タイミングを計ったり、動きをまねしたり、イメージを表現する能力

・バランス能力=必要な体勢を保つ能力

 体勢が崩れたときに、立て直すことができる力であり、不安定な物の上や空中で体勢を保ち、動ける力です。

・変換能力=状況に合わせてすばやく動作を切り替える能力

 急な変化に対して、適切な動きをとれる力です。状況判断、身体操作、定位能力、反応能力などが複合的に関わっています。

ボールを使ってバランス能力・変換能力向上を目指す

 7つのコーディネーション能力すべてをアップさせる運動として、キャッチボールが挙げられています。野球のボールに限らず、ドッジボールやビニールボールなど、いろいろな大きさや固さのボールを使うことで、効果や面白さに変化が出ます。

 今回ご紹介するボールを使ったプログラムは「ゆらぎの中で重心を探し、動きの中で体を調整する対応力をつける」ことを目的としています。基本の筋肉である足腰や体幹も鍛えられます。コーディネーショントレーニングでは子ども自身が「楽しい」と感じることが最も大切な要素になります。幼児期・児童期は神経系が向上するとても大事な時期です。この時期の運動経験が将来的な運動能力にも繋がっていきます。コーディネーショントレーニングを楽しんでください。

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今月のフィットネストーク
チア・スピリット(笑顔・元気・応援)

 「子どもの姿勢」についてお話しさせていただく機会があり、「姿勢が良い子ども」と考えた時、チアダンスを習っている子ども達かな⁈と。国保の写真で登場している伊藤がチアダンスのクラス(4歳児から中学生まで)を指導しているのでレッスンを見学させてもらいました。チアダンスはチアリーディングのダンスの部分を独立させているので、アクロバット的な要素はありません。女の子が笑顔でダンスをするチアダンスは華やかなイメージがありますが、練習は時には厳しく地道な努力が不可欠です。激しい振り付けを笑顔で踊りきる体力が必要なので腹筋、背筋、腕立て伏せ、柔軟など、派手さとは縁遠い基礎練習を繰り返します。そんな基礎練習をこなしている子ども達をみて、「チア・スピリット」という言葉を思い出しました。「笑顔でいること」「元気を伝えること」「応援する気持ち」この3つです。子ども達が大人になって、「頑張っているのに何故だかうまくいない」というときこそ、この3つのことを思い出して欲しいと願い、私も伊藤にチアを教えたことを思い出しました。私の姿勢が伸びたレッスン見学でした。

猫背予防体操(2024年10月号)

子どもの「よい姿勢」のつくり方 猫背・ストレートネック

子どものうちに悪い姿勢を直そう

 姿勢が悪いと、「だらしない」「行儀が悪い」など見た目が悪いだけではなく、将来的に必ず体のどこかに不調が起こってしまいます。成長期は骨や筋肉が柔らかく変形しやすいため、姿勢の悪い癖が定着しやすいです。また、成長すればするほど筋肉の柔軟性が落ちてくるので、悪い姿勢を直しにくくなります。早期から姿勢改善に取り組むことが重要です。

良い姿勢の形を知ろう!

 姿勢が良いかどうか簡単にできる方法は、平らな壁の前に立ち、壁に背中とお尻、かかとをつけます。顎は引いて後頭部が壁につけば、これが立った時の良い姿勢です。後頭部が壁につかない場合はストレートネックの心配もあります。さらに細かいセルフチェックをご紹介します。

①膝を曲げずに手の平が床につくか(もも裏・腰・背中側の筋肉の柔軟性)太ももの裏側の筋肉が柔らかければ座っている時も良い姿勢を保ちやすくなります。

②足の裏を全部床につけて完全にしゃがめるか(足首、膝、股関節の柔軟性・筋力・バランス力)深くしゃがむことができないと、例えば重いものを持ち上げる時にしっかり腰を落とすことができず、ぎっくり腰を起こしやすくなるかもしれません。

③耳の後ろまでしっかりと両腕を上げられるか(頭や首の位置・背中が伸びているかで猫背になっているかわかります)良い姿勢のイメージを持つためにも、自分の体を知ることが大切です。

猫背タイプは背骨の柔軟性が必要

 猫背は、背骨から首あたりが前のめりになっているような姿勢のことで、「悪い姿勢」の代表格です。人間の背骨はまっすぐではなく、少し湾曲しているのが健康な状態ですが、猫背になるとこのバランスが崩れます。姿勢のバランスが崩れているせいで、見た目にも元気がなさそうなイメージを与えます。また背中が丸まり胸郭が閉じてしまうため、呼吸が浅くなりそれが長く続くと肺活量が減ってしまいかねません。肺活量が少なければ、疲れやすくなり、スポーツをしたときに持久力不足になるリスクも高まります。

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今月のフィットネストーク 図書館にて深呼吸する

 オホーツク地区への出張は高速バスを利用しますが、バスの減便があり、札幌へ戻るバスを待つ時間が長くなりました。そんな時はバス停のある施設内の図書館を利用させてもらっています。パソコンで仕事をしたり、タブレットで映画を観たり、充実した時間になっています。ふっと、見まわしたら、文学、評論、絵本、辞典、事典、図鑑あらゆるジャンルの本に囲まれている贅沢な環境。パソコンを閉じ、本を手に取ってみます。ずっしり重たい単行本の感覚、本棚と本棚を渡り歩いて「何を読もうかな」とわくわくする感じ、そして音のない世界で時間を過ごすのは、どれだけ久しぶりなのか?わからないほどです。

 読みたいと思っていた本を3冊選び、もう選ぶだけで何かを達成した感、幸福感に満たされました。趣味は?「読書」、愛読書は?『深呼吸の必要 長田弘』(晶文社 1984年)と答えていた“本が好きだった”自分を思い出しました。読み返してみて新たに心に響いた『おおきな木…おおきな木の下に、何があるだろう。何もないのだ。何もないけれど、木のおおきさとおなじだけの沈黙がある。』この本の後記に『言葉を深呼吸する。あるいは、言葉で深呼吸する。』まだこの意味を理解できない私ですが、図書館で本に囲まれて深呼吸できたのかもしれません。

お尻ともも裏の簡単ストレッチ(2024年9月号)

下半身の柔軟性を高める
お尻ともも裏の簡単ストレッチ

お尻の厚く大きな筋肉・大殿筋

 長時間座っていると、お尻の筋肉、大殿筋が圧迫され、血流が低下し筋肉が硬くなります。この筋肉は腰と下半身をつなぎ、骨盤を安定させる大切な役割があるため、硬くなると股関節の動きが悪くなり、歩く・走るといった動作がスムーズにいかなくなります。

 ストレッチで筋肉がほぐれると、座っている時の姿勢をキープしやすくなり、歩く時も股関節が動きやすくなります。また、下半身全体の血流も良くなるので冷えやむくみの軽減効果も期待できます。

 ただ、股関節や膝に疾患のある人、坐骨神経痛のある人は充分注意してください。痛みやしびれを感じたら、無理に伸ばしたりキープしたりしないように「気持ちいい」と感じるところでストップしてください。

お尻の上部外側の筋肉・中殿筋

 手を腰に当てた時に触れる部分にある中殿筋は、骨盤や股関節を安定させるために重要な筋肉です。この筋肉が弱くなると、左右に動く動作が苦手になったり、体の軸がぶれて、立っていてもふらついたり、歩く時につまずきやすくなったりします。それは、中殿筋が弱っている側の足が地面に着地した際、骨盤を安定させる中殿筋が耐えられず、上体が傾くからです。

 体のバランスの安定のためにも中殿筋をしっかり鍛えましょう。

もも裏の筋肉・ハムストリングス

 ハムストリングスは3つの筋肉の総称で、ももの裏側にある、お尻の坐骨から膝の裏までの長い筋肉です。脚を後ろに引いたり、膝を曲げたりといった動きの際に働きます。

 また、ハムストリングスは肉離れを起こしやすい筋肉なので、スポーツなどの激しい運動をする人はストレッチをして、柔軟性を高めておく必要があります。

 ストレッチをして柔らかくすることで、骨盤を正しい位置に戻して姿勢が改善されるメリットがあり、腰痛予防にもつながります。ただ、ハムストリングスはストレッチをしすぎると※オーバーストレッチになってしまうため注意が必要です。

 痛みを感じるところまで伸ばさないように、反動を使って過剰に負荷をかけないようにしましょう。夏の疲れが出やすい9月です。頑張りすぎないストレッチをお勧めします。

※オーバーストレッチ:筋肉を伸ばしすぎてしまい痛めてしまうこと。

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猫背・反り腰・平背改善ストレッチ (2024年8月号)

腰痛を引き起こす3つの悪姿勢
猫背・反り腰・平背改善ストレッチ

悪い姿勢が腰痛の原因

 腰痛の原因にはさまざまなものが考えられますが、日頃の姿勢や労働環境が招いてしまう、筋疲労やからだのゆがみも大きく関係しています。
 椅子に座る、立ち上がる、荷物を持ち上げるといった生活の中で行っているさまざまな動作は、筋肉の支えなしには維持できません。ところが、長時間同じ姿勢を続けていると筋肉は強張り、血行が悪くなり、倦怠感や腰に痛みを生じることがあります。
 また、気がつけばいつも猫背になっている、座るときに足を組む、いつも片足に重心をかけて立っているといった姿勢の悪さが腰に負担をかけて痛みとして現れるのも腰痛の一例です。

猫背と反り腰

 猫背になると骨盤が後ろに倒れ、お尻周りや腰の筋肉の緊張を引き起こします。この状態が続くと腰の筋肉が硬くなり腰痛のリスクが増加します。また、反り腰は骨盤が前に傾き腰の反りが強い状態です。腰で上半身を支えようとするため腰に大きな負担をかけています。反り腰の腰痛は歩いたり動いたりするときに痛みが出やすくなります。

平背(フラットバック)

 猫背や反り腰ではないのに腰痛がつらいときは「平背」の可能性があります。腰痛を引き起こす不良姿勢の1つです。平背は、背骨のS字カーブが失われて背中が平坦になっている姿勢です。背骨は通常ゆるやかなS字の湾曲があり、日常の動作でかかる筋肉や関節へのストレスを分散させています。そのため、生理的湾曲がなくなると筋肉に負担がかかり腰痛や肩こりなどを引き起こしてしまいます。この平背の人は座っているときに腰痛を訴えるのが特徴です。

こまめにストレッチ

 この3つの姿勢の改善策としてこまめなストレッチが有効です。まずは猫背の人は猫背で縮んだ胸を伸ばしましょう。反り腰の人は重心が前に傾くため、太ももの前側(大腿四頭筋)で支えようとして力が入っていますこの硬くなっている大腿四頭筋を伸ばしましょう。平背の人は骨盤が後傾している場合が多く、椅子に座るとお尻の位置が前にずれて腰に負担がかかるためお尻のストレッチをしましょう。今回は巻き肩の改善体操も合わせてご紹介します。体のケアに活用ください。


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座りっぱなし予防改善運動 (2024年7月号)

座りっぱなし予防改善運動

 健康維持や介護予防の教室では椅子に座ったままでできる体操から始めます。座っている安心感から、運動に集中して取り組んでいただけるのが大きな特徴です。

立ったついでに運動を!

座っている時間が世界一長い

 日本人は座っている時間が世界一長いという調査結果があります。 長時間の座りすぎは健康リスクを高めることも指摘されています。 座っている時間が長いとカロリー消費が減り、肥満や糖尿病のリスクが増します。メタボリックシンドロームの発症率も高まり、内臓脂肪が蓄積しやすくなります。また、心臓病やがんなどの深刻な病気のリスクを増やし、寿命まで縮めてしまいます。

立ったついでに体を動かす

 座り時間が長くなると、まず足の筋力を中心に身体機能が低下します。筋力や筋肉量が落ちると代謝機能が下がり、疲れやすく、血液の流れも悪くなります。特に「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎの活動量の低下は、下半身にたまった血液を心臓に押し戻すポンプ機能も低下させるため、血流が滞った状態になります。 また、長時間同じ姿勢でいることはたとえどんなによい姿勢だったとしても、筋力が不足していたら疲れます。定期的に姿勢を変えることも必要ですが、ストレッチや筋トレなどで体を積極的に動かすことがより予防改善に繋がります。

腸腰筋と広背筋のストレッチ

 太腿の付け根の腸腰筋は、股関節を曲げたり、骨盤を前に傾けたりするときに働きます。 座り姿勢は、まさに股関節を曲げた状態。 この姿勢が長くなると、腸腰筋が縮んだままになり、血流や鼠径部のリンパの流れが悪くなることで、冷えやむくみ、腰痛などの不調に繋がります。 集中して長時間座って作業していると背中や腰など背面の筋肉が固まり、これが体のだるさ、疲れ、肩こり、腰痛などに繋がります。 広背筋は胸郭を支えて深い呼吸をサポートする役割もあり、呼吸にも大きな関わりがあります。時間がないときでもこれだけは実施してほしいのは腸腰筋と広背筋のストレッチです。 立ったついでにサクッとでき、椅子を支えにして行うので、筋力やバランス力に自信のない人でも簡単にできます。試してみてください。


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血流を良くする運動 (2024年6月号)

血流を良くする運動

 健康維持や介護予防の教室では椅子に座ったままでできる体操から始めます。座っている安心感から、運動に集中して取り組んでいただけるのが大きな特徴です。

寒暖差疲労にも効果

寒暖差疲労

 この5月から6月にかけて思いのほか寒かったり、急に暑くなったり、体調を崩す人が増えているようです。

 気温の寒暖差が大きくなることで自律神経のバランスが崩れてしまい、さまざまな体調不良を引き起こすことを寒暖差疲労といいます。

 自律神経が乱れると、全身に行き渡る血液量が低下したり必要以上にエネルギーを消耗したりするため、さまざまな不調につながってしまいます。そのため寒暖差疲労の改善には体内で滞った血液循環を回復していくことが必要になります。

適度な運動で血流を改善

 体の中には毛細血管と呼ばれる網の目のように張り巡らされた血管があります。安静時はその約半分には血液は通っていないのですが運動をすると肺はたくさんの酸素を吸って心臓に送り出し、毛細血管を流れる血液は安静時の何倍にも増えていきます。

 運動したり、お風呂に入ったりすると皮膚が赤く見えるのは毛細血管が広がり、血液の流れがよくなったためです。

 反対に運動せずに安静状態のままだと、血管は周りの筋肉に吸収され、血液の通る道がなくなってしまい、血圧を上げる原因にもなってしまいます。

 運動といっても体に負担がかかるような運動ではありません。軽く簡単な運動を続けることが大切です。心臓も筋肉ですから毎日続けることで心臓の筋肉も丈夫になり、収縮力が増し、流れる血液量も増えてきます。

膝・つま先上げ運動

 ふくらはぎは体の一番下、心臓から遠いところにあります。体中に血液を巡らせるには、ふくらはぎの筋肉がポンプとなって重力に逆らい血液を押し上げなければなりません。かかと上げが代表的な運動ですが今回は膝を持ち上げつま先を上げる簡単な運動をご紹介します。覚えやすいので、ぜひ試してみてください。


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椅子ストレッチ10(2024年5月号)

椅子ストレッチ『10』

 健康維持や介護予防の教室では椅子に座ったままでできる体操から始めます。座っている安心感から、運動に集中して取り組んでいただけるのが大きな特徴です。

椅子体操のメリット

腰や膝に負担がかからない

 腰や膝に体重がかからないため、足腰への負担はほぼありません。膝を深く曲げる動作もないため、膝痛や腰痛持ちの方にも無理なくできます。

動作が簡単

 椅子に座った状態で行うため、動作が非常にやさしいのもポイントです。足を動かしたり、立ち上がったりもしますが、椅子の背に手をかけ体を支えながらできるため強い力はいりません。

使う筋肉に集中できる

 椅子を使えば骨盤など、体の一部が固定されるので、使いたい、伸ばしたい部分を無理なく使い、伸ばすことができます。


デスクワークの不調にも有効

 デスクワークによる体の不調を予防するためにも、椅子体操、ストレッチは有効です。姿勢を改善し、筋肉を活性化させることができます。一日の中で割と多い〝座っている時間〟をストレッチにあてることで、効率よく背筋を正すことができます。

 仕事中は集中しなければなりませんが、30秒でもよいのでストレッチに使うだけで、気がつくと体は楽になるし、集中力もアップします。

椅子ストレッチ『10』

 10の椅子ストレッチをご紹介します。その中でも簡単にできる2つ「体側伸ばし」は姿勢改善効果やリフレッシュ効果の高いストレッチ。胸を大きく開くことで呼吸を深める効果もあります。「腰ひねり」は背骨の歪み解消や腰痛の緩和、内臓機能の活性化に効果的。空いている手は背もたれを掴んでもOKです。「時間が余った」と感じた時に試してみてください。

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春の不調に簡単ストレッチ(2024年4月号)

入浴と運動でリフレッシュ

 寒い冬も終わり、ぽかぽかと日差しが気持ちよい季節になりました。
過ごしやすいと感じる一方で、「なぜか身体がだるい」「イライラする」「やる気がでない」など心身の不調を感じる方が多いようです。
 特に春先は朝晩の寒暖差が大きいため、体温調節のためのエネルギー消費が増え、疲労感を感じやすくなります。
また、日照時間が増加する春には、体内時計が調整される影響で睡眠リズムが乱れやすくなります。規則正しい生活リズムを保ち、睡眠時間を確保することで体力を回復させることができます。

睡眠と入浴

 良い睡眠のためには、体温の「下げ幅」がポイントになります。夜になると徐々に下がっていく体温ですが、就寝前に体温が下がらなかったり、逆に体温が上がったりすると眠りのタイミングを逃してしまいます。就寝前の入浴にも気を付けなければなりません。熱いお湯につかると「活動モード」にスイッチが入ってしまいます。就寝1時間くらい前に39~41度のぬるめのお湯につかりましょう。15~30分ほどで額に汗が出るくらいが最適だと言われています。一時的に体温を上げ、その後の「下げ幅」を確保することができます。お風呂からあがり、水分も補給し30分~1時間後に眠りにつく。このタイミングなら、寝つきもよく眠りも深くなります。

適度な運動でリフレッシュ

 適度な運動も春の不調を軽減するのに役立ちます。体を動かすことで血流がよくなり気分もリフレッシュできます。息が軽く弾む程度の運動を、気持ちよいと思える範囲で無理せずに行いましょう。ウォーキングやストレッチ、ヨガなどがお勧めですが、時間が確保できない方は、日常の動作の中に運動を組み込んでみてください。伸びをするストレッチをするだけで筋肉がゆるみ血行促進が期待できます。お風呂でも運動でも自分が「気持ちいいなぁ」と感じる程度が一番効果的なのだと思います。
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サーキットトレーニング 頑張るバージョン(2024年3月号)

◆トレーニングの習慣化
 トレーニングは自分の実力以上の事をしてもなかなか結果は出ませんし、何より怪我に繋がる場合もあります。自分のレベルを把握してトレーニングを行うことが大切ですが、3か月以上続け、ある程度、筋トレが習慣化されたら、「ややきつい」と思うくらいのトレーニングを意識していくことが推奨されています。

サーキットトレーニング 簡単バージョン(2024年2月号)

◆短時間で効率良くトレーニング
 サーキットトレーニングは複数の筋トレと、有酸素運動を組み合わせて行うトレーニングです。 休息を挟まず筋トレと有酸素運動を交互に行うので短時間で効率よくダイエットができるほか、全身持久力や筋力が向上する効果が期待できます。時間が取れない方や短時間で効果を得たい方にはおすすめの運動なので、就労者向けの「夜の運動教室」や「男性のための運動教室」に取り入れています。

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